madeingermany

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...... 2018年05月08日 の日記 ......
■ 神戸在住   [ NO. 2018050801-1 ]

■アフタヌーンで掲載されていた「神戸在住」を読んでいます。げんしけんを読んだ時に、もっとアフタヌーンの漫画を読みたいと思い手を伸ばしました。女神さまを読みながら、いつか神戸在住もつまみ読みしたんだろうなと思います。以下、感想と雑感です。


・「関西なら自分も在住経験がある。神戸は観光なら何回か行ったし、谷崎オタクの自分なら読めそう」なんて、甘い事を思っていた。

自分は学生時代、京都在住だったのは嘘じゃないけれど、ほぼ大学とバイトと就活の暮らしだったし、長期休みは群馬に帰っていた。京都観光も大学のあった北区くらいでしかしていなかった。竹淵が「京都在住の女学生」だったのは真実なのだがインチキくさい。



・「自分は図工や美術の時間が好きだったし、高校では美術部だった。美術科の女の子の話って共感しやすいかも」なんてのも、自分の見栄だったのが分かった。神戸在住を読めば読むほど、ヒロインの内的世界が分からなくなる。

自分に引き寄せて理解しようと思うから苦しくなるのだと思うが、彼女の内的世界はガラスのように透明なのに、内側に異物が入って来るのを拒んでいる様にも思えた。



・よく考えると。田舎の山奥から、京都(主に新選組)への憧れ一点で関西へ突っ走った自分と、神戸セレブのヒロインの暮らしに、共通点はない。「女であること」さえ、「女であること」が苦痛だった自分には、愛らしいヒロインのリア充ぶりが想像出来ない。

知らない世界を読んで楽しむ、それが漫画なのだが、ヒロインの食うメシの味さえ想像がつかない。高級魚、高級イタリアン、高級フレンチ、ボージョレヌーボー、美味しい和菓子、神戸スイーツ、なんだか呪文のように思えてきた。



神戸在住が不十分な作品だなんてことはない。完全な世界だから、読んでもかえって迷子になるのだと思う。今年の冬に自分は有馬温泉に行き、新神戸でお茶もした。清水の舞台から飛び降りる様な決心がないと、日本屈指の高級温泉地になんて行けなかった。有馬なんて、神戸在住のヒロインには裏庭に過ぎなかった。

若い時こそ贅沢をしておくべきだったと今思う。年を取って初めて有馬だの神戸だのに出向くと、その土地の有難味が、貧しかった自分を攻撃しているように感ぜられる。こんなひねたおばさんに、自分は時間をかけてまでなったんだなと思うと悲しい。悔しいので、今後は出来得る限りの心身の贅沢を自分に許そうと思う。有馬温泉にまた行こう。

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