madeingermany

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...... 2018年05月20日 の日記 ......
■ 細雪   [ NO. 2018052001-1 ]

■岡目八目と言う言葉があります。渦中にある当事者よりも、少し離れてみている人の方が、冷静に先を読んでいたりするというあれです。若い頃いいなあと思い憧れましたが、自分の場合、「当事者になれないだけ」という事実があるので憧れるのをやめました。

自分の書く小説で、グンマ様によく岡目八目をやってもらっています。立場的にキンちゃんや高松の方が渦中にいないはずなのですが、キンちゃんは熱しやすい性格と経験不足があり、高松は岡目八目ではなく、好きなことしない性格の方が強い気がします。



■関西大学はかんさいだいがく、関西学院大学はか(くゎ)んせいだいがくと読みます。かんせいと読ませるあたりに、ハイカラさが出ていると思います。自分の出身校は、群馬で両親が自慢したら、「結婚式場?」と言われたそうです。

スポーツする対戦校の名前が正しく読めないのは論外ですが、山奥で行住坐臥が済んでしまう場合、「大学名」なんて偉い人の名前の様に、記憶に残らないものかもしれません。

誇り高き、歴史ある関関同立は「ある程度のこと」までなら許すと思います。「ある程度のことまで」ならですが。



■細雪下巻を読んでいます。上中下と一気に読める長さではないので、ゆっくり読んでいます。ある程度の区切りをつけながらの小説展開なので、何日かごとに手を付けても大体分かります。痴人の愛の様な一人称で威勢よく書かれたものだと、途中で休憩を入れるのが難しいです。

漱石の小説も、漱石の体調で休載の時期があったものもあるのですが、気にしないで読めます。・・・と言いたいですが、行人については漱石の体調が露骨に出てしまった様に思えます。

多分、門の書かれていない場面、宗助が友人からお米を奪う仔細を、二郎と直で書いてみようとしていたのではないかと思います。時期的に行人の方が後の作品なので、そんな気がします。二郎は一郎から直を「奪い」、段々直が重くなっていくのだろうなと思います。宗助の「明るく、金に不自由しなかった若い頃」は、二郎みたいな感じだったのでしょう。


細雪の話でした。

ツイッターもインスタもフェイスブックもないのに、この人間同士の緊張感と、腹の探り合い具合はすさまじいと思います。姉妹達と交際する男性にしても、板倉の評判は姉達にひどく、御牧については満場一致で合格をだしています。

田舎生まれの板倉と、公家の家柄である御牧は同列であり得ないというのが主な理由ですが、写真館を経営している板倉と、完全なるニートの御牧でなら、板倉の方が頼もしそうです。性格が板倉は粗野、御牧は穏やかだとも言えそうですが、軍配は常に御牧に上がるでしょう。

公家の家柄だと言う御牧に鶴子、幸子、雪子が浮かれるのを余所に、御牧の経済力を疑う貞之助はやはり男なのかもしれません。

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