■いつか行くんだと思いつつ。「日本のクラシックホテル名鑑」みたいなのを読みました。帝国ホテル、オリエンタルホテル、上高地帝国ホテル等がズラリと並んでいました。一泊当たりの値段なら、群馬県内の温泉地でも同等のものがありますし、名旅館・名ホテルがありますが、次元の違う部分で譲らざるを得ない面があります。
細雪でよく出て来るオリエンタルホテル、雪子が婚礼を挙げた帝国ホテルはこんなのか、と後学のために読みました。風立ちぬのヒロインがいそうな世界です。
庶民には縁のない世界ですが、いわゆる「昔」の日本が貧しいだけではなかったのが分かった気がします。貧しくて暗いのは主に我が家の歴史であって、贅沢と気品が、ある所には明治からあったのだと思うと、心が明るくなります。
父が、「自分が(お前の)世界を照らしているんだ」くらいの発言を普通にするので、ムダだから反論しないにせよ、我が家の余所に、熱い太陽も綺麗な月もあるなと思うだけで、安堵します。
■よく「昔は皆貧しかった」とか聞きますが。昭和ノスタルジーとか、自分には分かりません。昭和56年生まれでして、ギリギリで高度成長期、バブルの記憶があるくらいの世代です。
何というか、観光業も「昭和がよかった」と大体聞きます。どこの旅館も、ビルに建て替えたり、巨大な露天風呂だの作って、団体様のバスが毎日のように押し寄せたと聞きます。
それらは嘘じゃないだろうし、作れば売れた、全国各地のホテルには数多の男女が押し寄せたのも本当でしょう。しかしそんなのは朝鮮戦争による特需、戦争中に蔓延した軍隊式の社会、一向に改善されない男尊女卑の暮らしが加速的に「日本的なもの」として固定化した時期じゃないかなと思います。
そんな司馬遼太郎の本ではないですが、戦時中をしつこく引っ張ってきた繁栄、あんまり好きになれません。群馬県のあちこちに、観光ホテルの残骸がありますが、時代に置いて行かれたにせよ、時代自体に誤りがなかったかと思います。
よく分からないのですが。和田慎二先生の漫画で言うと、スケバン刑事(昭和50年代)とリン(平成20年代まで)くらいの内容の「差」が、社会にはあるんだなと思います。(流石にリンには、破れた学ランに竹刀みたいなワルはいなかったと思う。)
サキが殴り倒した様な「悪」はいまだに身近にある訳で。世の中、悪い方は変らないなと思います。平成もそのうち終わりますが、サキ、リンに続くアイドルを先生が描くのを見たかった気がします。Content-Disposition: form-data; name="image"
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