■ウマ子ちゃんの強さについて考えていました。彼女は強いですが、あくまで筋力による強さです。手からプラズマや炎は出ません。要は戦術性なのかなと。
面白いのは強さについて、リキッドは自分<ウマ子ちゃんと考えていて、アラシヤマは自分>ウマ子ちゃんと考えている点です。つまり彼等の現状認識が正しいのなら、強さはアラシヤマ>リキッドです。
原作者はリキッドを「好青年」として動かしたかったかもしれませんが。うら若い女性に暴力や暴言を浴びせたリキッドと、自分の力で女性をかばってみせたアラシヤマと、どちらが男として魅力的なのかは明白ではないかと思います。ちなみに心戦組メンバーも、ウマ子ちゃんを淑女として扱っている面があるのでいいなと思います。
■民事不介入という原則について考えていました。別にひどくもなんでもなくて、過去、全く家庭内の事情に、お上が立ち入っていた事を思えば、当事者同士の話し合いによって解決しようという姿勢は素晴らしいものだと思います。
しかし親VS子、男VS女において、強いのは前者です。金があり、世間的な発言権があり、何より腕力もあります。日本?は近代化するにあたって、特権的階級を解消させたのではなく、津々浦々の男達に対し、「女と子供」を、好きに支配していいよとお墨付きを与えたのかもしれません。
・・・マジックさんは、世界中の国家の脅威であり、彼の血縁と部下達の絶対的な王者です。金と暴力でのし上がったとか、成金だとか言うのなら、まだ抵抗のしようがあろうかと思いますが、青の一族の長い歴史における、現在の覇王がマジックです。
シンタローは新総帥ですが、覇王とは呼ばれません。ガンマ団を、民間の普通の組織の様に縮小するのがシンタローの希望だったと思いますが、その分、権威とか、恐ろしさとかアイドル的なものが一層マジックに寄って行ったのかもしれません。
シンタローも魅力的な男ですが、潔癖な面があり、マジックの様に広くファンを得ると言うより、少し家庭的な感じがあるのかなと思います。シンタローのファンになるには、一見では受け入れてもらえなそうですが、マジックのファンだったら、投げキッスくらい期待してもOKでしょう。
シンタローの補佐官のキンちゃんも、若いし美形だし、十分伯父さんの様なアイドルになれる要素はあると思うのですが。彼自身アイドル的なサービス心が理解出来ておらず、ママ(高松)からの熱い思い・賛辞が普通になっていて、「不特定多数の、見ず知らずの相手にどう接すればいいか」と言う感覚が著しく欠けていそうです。
何が言いたいのか迷走しましたが。南国後における一族のゴタゴタはある意味正視を拒むような面もあるのですが、マジックが「民事不介入」と言い出したら、多分誰も何も言えないんだろうなと思います。マジックに最も近そうなハレ・サビが、一肌脱ぐとは思えないし、高潔なはずのシンタローも、やはりマジックの意思に従うしかない面もあるだろうと思います。
リキッドのパパが、息子への仕打ちを問いただしてあの反応です。お預かりした他人の息子にああなのだから、自分の息子をどう扱おうと、マジックの自由なのかもしれません。
高松は僕達青の一族の家族じゃないじゃない、というグンマの心の叫びもあろうかと思います。しかし前近代的な戸籍には、正妻以外の女性の記載がされていた事のように、または細雪のお春の様に。坊ちゃんの清の様に。
24年間マジックに「媚びて」来た高松の実績たるや、自分の罪を「民事不介入」という盾で、マジックに守ってもらうスキルにまで昇華させていたのではないかと思います。ごめんグンマ。 |
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