■文ストで興味を持った作家に、織田作之助がいます。多くの文豪の名前を持つキャラに「その名前の人知っている」とか傲慢な事を持っていた自分を顧みるキャラでした。「文豪名鑑」的な本では見た事のある作家だったのですが、読もうと決めたのはごく最近です。
太宰、安吾が当時でも大金持ちの家の子だったので、距離を感じていました。他の作家も富豪とまでは行かなくても、庶民じゃない事をふんぷんと匂わす男が多い中、織田作は違うかもと思うと、ドキッとしました。(学費は姉夫婦が出したそうです。)
■南国&PAPUWAについて考えていました。「すごい家庭の主人公」と言うと、漫画としてはよくあるテーマだと思います。
少年漫画だと、「親がいない(るろ剣、ワンピ、封神)」「親を殺してしまった(ドラゴンボール)」「親が今どうしているの分からない(スラムダンク)」、等、親の存在自体曖昧な所があります。
少女漫画だと、古いですが「女の子はお嫁に行く」前提があるせいか、「とんでもない親、家庭」がヒロインに控えていても、「ヒーローと助け合って生きていく」姿に感動を集めます。「とんでもない家庭に生まれたヒーローを、普通の家庭出身のヒロインがサポートしていく」となると、最早王道に思えます。
南国&PAPUWAというか、柴田亜美作品のカインコンプレックス率、(物語としての)出口の無さは特異だと思います。南国、PAPUWA、カミヨミ、チャン5、すずめちゃん、スクランブルくらいしか語れませんが、「凄惨な家庭内」の事情で項が埋まっている気がしました。
・マジックから「ハイエナ」と呼ばれるパパの弟 ・マジックから粛清される親類一同、及びミツヤ ・マジックから引導を渡されるルーザー様 ・マジックから幽閉される、次男のコタ
・弟のカラスに優しくないすずめちゃん ・弟にあたる紅達を、殺しだすエドガー ・妹の菊理に兄の帝月は嫉妬を隠さず、天馬に言いより、菊理をラスボス扱いするカミヨミ
これらが物語の「スタート」ではなく、大体物語の中核である事が、柴田亜美作品の特異さだと思います。カオスから脱出するには、「孤児」とも言えるパプワが待つ島へ、流れ着くしかない様です。
長男同士なら比較的関係が上手く行きそうな雰囲気もあります。マジックとシンタロー、シンタロー&グンマ&キンちゃん&コタとか。紅達は掲載誌がアニメージュだったせいか、5兄弟の中は平和の様です。(上のエドガーは、色々もう我慢できなかったんだろうなと思う。)
カインコンプレックスの被害を浴びていない兄弟というと、ハレ&サビ、コージ&ウマ子ちゃんだと思います。ハレ&サビは「マジックが父親代わり」なので、上と力の差があり過ぎて競争者になりえず、コージとウマ子ちゃんはひとえに彼等の性格の良さだと思います。アラシヤマをくわえて、幸せな世代になって欲しいです。 |
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