■恐らく人様が「ああ楽しかった」と、TRCから帰って、普通の生活に戻って行く頃。10日ばかり前の事です。自分には訳の分からない日々でした。こういう時ドラえもんがいたら、タイムマシンに乗って・・・と何度なく思いましたが、ドラえもんは来ませんでした。
しかし夜は眠れるし、美味しく食事もし、仕事もすれば、犬猫の面倒も見ている、普通の日々でもありました。多分、自分は「いつも何かに苦しがっている」だけなんだろうなと思います。苦しがっている時は真剣でも、喉元過ぎれば・・・ならいいなと思います。
導かれるように、ミスフルを読んでいます。「夢は逃げない」「回ってきた打線を大切に」「参加する事に意味がある」等のくだりの場面を読むと、ジワジワきます。多分、ミスフルを読むべき時だったんだろうと思います。いつもなら私は猿野の下ネタ他にブーブー言うだろうに、全く気になりません。
中学の時、ソフトボール部だったので、野球のルールは大体分かります。ライトをしていまして、牛尾と同じだと思うとちょっと嬉しいです。打順は二番でした。
田舎の公立で、部活動はほぼ運動部のみでした。内申書のためとか、「皆が部活をするから、皆と同じでないと余計いじめられるから」仕方なく・嫌々していたソフトボールでしたが、今ミスフルを読む布石だったと思うと・・・(いや、嫌な事の方が多かった)
■ジィドの田園交響楽を読みました。盲目のヒロインが自殺して終わる話です。語り手は、目の不自由なヒロインを、貧しい環境から「救い出した」牧師です。牧師であるせいか、「彼女は可愛そうなヒツジ」「彼女は無垢な天使」等、日本なら乙女系作品くらいでしか聞かない言葉がどんどん出て来ます。
そんなヒロインは、目が見えるようになる手術を受け、ほどなくして自分から川で入水し、衰弱して亡くなります。牧師は罪が〜とか言っていますが、これは死にたくもなる等状況でした。
・ヒロインはもともと貧しかった。唯一の身よりだった叔母が亡くなったので、叔母の病床に偶然呼ばれた牧師だけが、ヒロインの頼るべき相手だった
・拾った犬か猫のように、幼いヒロインを可愛がる牧師。夫であり、父でもある牧師がそんなだから、すさむ家庭。夫が堂々と可愛くて従順な若い愛人を家に入れていて、あれる妻。そんな妻の人格を攻撃する牧師。
・さてヒロインの目が見えるようになり、彼女が初めて見たものは、あれた牧師の妻の冷えた視線だったり。恐らくは、牧師の可愛い愛人である事への、厳しい周囲からの目だったり。
牧師から逃げようにも、貧しい女一人行くあてもなく。新しい男を作ろうにも、地元の名士だろう牧師の手垢がついた女性をあえて欲しがる男もなし。助けてくれるはずだった牧師の息子も、牧師からの攻撃に耐えかねたか撤退し。
そりゃあヒロインは死に急ぎたくなるかもしれない、と読んでいて思いました。目が見えない頃は、牧師のペットである自分を直視しないで、あたたかい夢の中にいられたのに、気が付いたらスケベなおじさんのオモチャだったのですから。
流石ジィドというか、ジィドは奥さんとはプラトニックな関係で、男性の愛人と、女性の愛人がいたそうです。文ストからの興味でちょっと読んでみた作家ですが、大変濃い作品ばかりだったと思います。 |
|