■如月さんと黒男について考えていました。一部始終が黒男目線から語られるので、「如月さんの体」が最大のネックの様に見えています。(そんなに黒男は、如月女史の下半身に執心があるのかとちょっと思う)
しかし如月さんの体の事がなくても。彼は当時から復讐心に燃え、自分と母を苦しめた5人への私刑を誓っていて。結果的には患者に恐喝まがいの事をして、大金をせびるモグリの医者になった黒男が「結婚」とは、あり 得ない話でした。
仮に復讐について如月さんが理解したとしても、彼女が黒男の私刑に巻き込まれる可能性もあって。復讐云々の前に、「患者に法外な大金を恐喝するモグリの医師」を夫にすると言う呵責に彼女が耐えられるかどうか。
(如月さんが黒男を幸せに出来れば、黒男も普通の医者に・・・なったかなあ。もし「父親になれない」事で、黒男が如月さんを大事に出来なくなってもイヤだし、患者から大金を受け取る時の黒男のキラキラした顔を思うと、彼女さえ彼の側にいれば・・・とも思えない)
■ヤングブラックジャックを13巻まで読みました。一巻だけチラッと読んで、ちょっと置いておこうなんて思ったのが間違いでした。一晩で手元にあった巻を全部読んでいました。以下、雑感です。妄想と偏見です。
・とても読みやすい。黒男がセクシーで可愛い。キリコに興味があって読みだした事もあったのだけど、何かと近代的なまとめ方になっていると思う。百鬼先生についても、原典ブラックジャックも結構オカルトめいた時があるので気にならない アニメの百鬼先生も見たい
・黒男の重要問題、如月さんとの別れについて。子宮を失った彼女について「女でなくなった」から、恋心まで黒男が捨てたのだろうと原典では読める。戸籍上多分如月さんは女性だし、結婚するのは可能なのに。手術後の彼女に求婚する男性も、原典にいるし
13巻まで読んで。もし如月さんが、黒男との異性関係の発展より、一介の医者としての人生を希望しての別れなら納得出来ると思った。あの黒男でも、自分の妻が多忙で優秀な女医さんでは、思う所が出て来てしまうかもしれない。如月さんももし黒男と結婚しても、身体的及び多忙さ故に普通の「妻」でいられない事に耐えられなくなるかもしれない。
・火の鳥望郷編のロミ、コムにもう一度出会えた気がした。顔が同じだけで、同じキャラでないのは分かっているけど、自分以外の人も、彼等を愛してやまない事が分かっただけでも嬉しい
・ヤングブラックジャックも、あれこれ過激なマンガかもしれないが。手塚治虫の原点が異様に濃く熱いので、そんなに気にならない。自分が手塚治虫を読んだのは小学生の頃なのだけど、全く心の準備が出来ていなかった。
ひだまりの樹とか、一輝まんだらとか、コドモが読んじゃダメかなと思う。昔はフツウだった内容なのかもしれないし、一輝まんだらは図書館にあった。小説は「契った」とかで済む描写が、克明に描いてあるのは辛い。読まなきゃいいだろと人は言うのかもしれないが、分からないまま読んでしまうと言う事もある。
ヤングブラックジャックは、強姦シーンがないだけ、穏やかな漫画だと思う。昔の大河ドラマとか、時代劇でも、かよわい女性を屈強な武士が強姦し、せいせいした顔をしている場面がよくあった。
そういう絵が、お茶の間に常時流れていた事も不愉快だ。ヤングブラックジャックにご不満の層もあるかもしれないが、その点だけは進歩じゃないかなと思う。
関係なくないけど、江戸時代の様な、目上の男からの「水責め」で死ぬような女児が、平成も終わりの世の今でもある。今、武士なんてものはなくても、オトコと言う暴力装置はまだこの世にある。 |
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