 ■高松のチャームポイントは卑劣さだと、日本語的におかしい文章を昨日書いたのですが。横光三国志の孔明、ロボの策士孔明の卑劣な所も大好きでした。彼等をよく言えば「意志が強い」とでもいうのかもしれませんが、巻き込まれた方からは非難轟々だろうと思います。
グンマ様は、声がかれるまで高松を非難していいと思います。ただし人を非難するのは意外に疲れるし、憎い相手の事をいつまでも心にとどめておくのは心身の負担になります。グンマ様は高松との日々を思い出そうとせず、マジックの長子としての地位を大事にするしかないのかもしれません。
そんな高松の、グンマを卑劣な目に遭わせてでも守ろうとしたのがキンちゃんです。高松の思惑通りなら、キンちゃんは世界一強い男を父に持ち、いずれはとんでもない権力と財産を得たのでしょう。
高松の卑劣さをかばう訳じゃありませんが。高松は、「好きな人とその息子との幸福で安全な、ささやかな暮らし」をマジック・サビ・ジャンの痴情のもつれで失った訳で。
だからといってグンマを孤独と不信の地獄へ落としていい事ありませんが、夢みたいな「復讐」を胸にマジックとシンタロー(キンちゃん)の側に、(憎い男の実子を世話しながら)いたなんて、かわいそうに思います。
(繰り返すけれど、グンマは高松をぼこっていいと思う。ただキンちゃんがグンマに怒ると思うし、グンマの怒りを余り理解しないだろう青の一族他からは、秘石眼故の暴走?とか思われそう)
■「ドクターキリコ 白い死神」を読みました。ヤングブラックジャック内で紹介されていたのを見て、読みたいと思っていました。ステキなマンガなのですが、困った事が一つ。
・ヤングブラックジャックは、1960年代が舞台である事をかなり意識して描かれている。アニメでは妙に解説的なシーンが多かった。
ヤングブラックジャックに出て来るキリコは、黒男より少し年上なので、計算を楽にするために、1930年代生まれとする。
白い死神の方は、スマホやメール、老老介護、「会いに行けるアイドル」等、思いっきり2010年代の話。キリコを仮に原典通りに1930年代生まれとすると、白い死神のキリコは80歳くらいになる。
80歳で現役のお医者様はおられるが、白い死神のキリコはピチピチのムキムキで私好みのいいミドルだ。ヤングブラックジャックとつながっている気配はない。何故ならもし黒男が白い死神に登場してしまうと、70代の老年だろう。それはそれでいいけど、それだとキリコと黒男の時間軸が滅茶苦茶に。
ヤングブラックジャック、原典のブラックジャックは素晴らしい話だが、何せキリコの出番は数えるくらしかない。「現代医療の現場とキリコ」という切り口は面白い、原典でチョイ役だったとも言えるキリコで、よくここまで白い死神を描いたと思う。
白い死神をもっと読みたかったけど、原典のキリコは蒸気機関車の中の老女との描写以降何をしているのか分からないし、白い死神もいい終わり方だったのではないかと思う。いいキリコをありがとう。 |
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