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■ スイミー 　　[ NO. 2019040901-1 ]

■わたらせ渓谷鉄道へ、桃を見に行こうと思います。わ鉄絶好のシーズンです。残念なのは沿線の観光地の数々が、それぞれ数キロ単位で離れている事です。覚悟して徒歩で行くか、タクシー、または何回も来ないと楽しみ切れない場所かもしれません。 それにしても。昔修学旅行等で行った場所は、なんてもったいない移動が多かったのだろうと思います。集団でバスに乗り込む事も、知らない道を延々揺られる事も天敵の様にだめな私は、いい思い出が少ないです。気分を変えようとしてお菓子を食べ、逆に盛大に戻した事もあります。 「大人になったら自分一人で来よう」と、数々の観光地に誓いながら成人しました。 ■今もあるのか分かりませんが。「協調性のお勉強」という事で、レオ・レオニのスイミーが国語の教科書に載っていました。海なし県のグンマで読むスイミーの絵は甘美で、「協調性のない竹淵ちゃん」のくせにスイミーは嫌いじゃありませんでした。 例え国語の教材でもそれが本である以上、「私の味方だ」と思えたのでしょう。以下、雑感です。 ・魚の話だからあれだが、冒頭でスイミーは大勢の家族を失っている。マグロにがばっと自分の兄弟を食い尽くされるのが、プロローグ　よく考えるとかなりグロイ 後半に出て来る赤い魚たちは、スイミーの家族とされるが、プロローグで食い尽くされる魚たちとは別の集団になる。 ・スイミーで問題なのは。冒頭の魚の集団が食べられてと言うか殺されて、後半の魚の集団が生きながらえている事だと思う。スイミーが最初から賢い魚だったら、冒頭の惨劇は起きなかった。 つまりスイミーは、一人ぼっちになった時によく考え、ワカメや昆布、エビの暮らしを知ると共に、大人になったのだろうと思う。冒頭の魚の集団が何故「皆殺しになった」のかと言えば、多分マグロを怖がる余りに、団子のようになっていたところをムシャムシャされたのかもしれない。 ・魚以外の生き物の暮らしを、一人でじっくり見て来たスイミーは、「皆で大きな魚になって自衛しよう」という手段を思いつく。小魚同士の協調性も大事だろうが、スイミーが普通の子だったら、ふたたび魚の群れの中にもぐりこみ、マグロにおびえたのかもしれない。 スイミーで大事なのは。ウッカリすれば全滅が避けられない「団子状」に生きる事ではなく、「整然と、役目と目的を持って」生きる事なのかもしれない。 そう思うと。団子の様に生きる事の不利益さも分かり、大事なのは「自分達がどんな集団であるのか」という事なのかなと思う。冒頭の魚たちは、無暗にマグロを恐れ、団子になったから食い殺された訳で。 こんなこと学校じゃ教えないと思う。「学校とは何か」「クラスとは何か」なんて考えだしたら、日本の教育は崩壊すると思う。先例とヒエラルキーと、ジャングルの中の様な野生の殺し合いより怖くて無秩序なのが、日本の義務教育の一面だと思う。（ここを乗り切らないと日本では大人になれない） 大人になってスイミーを読むと。そんな「トリアエズみんなで団子になろう」なんて話じゃなかったんだなと思う。あの最後の大きな魚の登場にはかなり高等な技術とチームワーク、意志、検討が必要だろうし、「自分はウロコ役」「自分はひれの役」とかなり自覚的な行為だと思う。

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