 ■直江津の話です。グンマから見ると、JR東の西端の一つの駅でした。富山や金沢と聞くと全くの別世界に思えても、何となく直江津なら知っている様な錯覚を覚えます。
直江津は、越後湯沢から昔出ていた特急、はくたかが停まる数少ない駅でした。自分が鉄道にはまりたての頃の越後湯沢駅の賑やかさと言えば、素敵なものでした。今だって華やかな街ですが、「ここは北陸とつながっている」高揚感は流石になくなりました。
つながっていると言うと。下にも書きましたが、上越市の人には無名だと思いますが、グンマも謙信公「ゆかり」のものがいくつかあります。新潟から関東への出兵の時は、グンマに謙信勢が来たのです。なんて話、グンマでは時々盛り上がるのですが、他県から注目された事は記憶する限りありません。
■先日、直江津で一泊しました。何となく直江津市というものがまだある様な気がしましたが、かなり前に合併して、上越市なのだそうです。
市役所は春日山駅付近だそうで、もうまるっきり上杉謙信のエリアだなあと思いました。謙信はグンマとも関わりがあるので、随分広範囲がエリアだったんだなと思います。(グンマ側も謙信謙信言って、観光名所的なものがあるのだけど、直江津の人達には無名だろうなと思う)
さて。佐渡からのフェリーを直江津で降りての宿泊だったのですが、そういえばフェリーの中で職員さんが「バスをご利用の方はいませんか」と言っていました。あとで調べると、新幹線駅である上越妙高までのバスがあったのだそうです。
直江津はバスの本数が少ないのかなと他人事のように思っていましたが、そのバス、自分も乗るべきバスでした。フェリー乗り場と直江津駅は約2キロ程あるので、タクシーかバスでの利用が普通だそうです。
日の暮れ出したフェリー乗り場を、私は何も考えないで駅方面に歩き出しました。方角は道路標識を見れば瞭然なのですが、何せ約2キロの道のりなので、歩いても歩いても着きません。山岳地帯・グンマで2キロ歩く恐ろしさを想像出来れば、何とかしてバスに乗ったでしょうが、知らないと言う事は恐ろしい事です。
歩いても歩いても駅が見えず。方向だけは合っているのだけ確信し、思い出しました。自分は何を思ってか数年前直江津に来ていて。駅から「海まで行ってみよう」と思い、余りに遠くて、安寿と厨子王の像を見て引き返したのです。
上越市に勿論海水浴場はありますが、そんなベストシーズンに来たはずもなく、林芙美子の石碑など見て納得して帰った覚えがあります。
結局、10キロ近いトランクを提げ、2キロ近い道を歩いて。30分くらいかけての、直江津港から駅前ホテルまでの行軍でした。タクシーに乗ればいいじゃないとここまで読んだ方は思われるかもしれませんが。そもそも行きのフェリーで迷わず2等に乗ったくらいなので、常にカネが惜しいのです。 |
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