■遅まきながら、借りぐらしのアリエッティを見ました。以下、独断と偏見の感想です。
・「つくりもの」のバランスって難しいんだなと思う。メアリは舞台がイギリス、マーニーはイギリスっぽい北海道だった。アリエッティはイギリスっぽい多摩らしい。純和風のお庭やお家、和食、着物の婦人などがつむぎだす「物語」は何となく予想がつくが、パンと肉、イギリス風の庭園、屋敷でつむがれる物語は予想にしにくい
ハルさんの生々しさが印象的だった 原作のハルさんがイギリス人だったのなら、あの人間としての生々しさは万国共通なんだろうか。「裕福なブロンド美少女の生涯」「超豪華なドールハウスが、思い付きで買える様なお家柄の御曹司の暮らし」とか、実はよく分からない
そういう華やかな暮らしと無縁そうなハルさんに、ちょっと癒された(マーニーを虐待した使用人達の意地の悪さに通じてしまいそうだが、マーニーの場合、他人だらけの中に彼女を置いて行った両親もヒドイ)
・ハルさんが、アリエッティ達を執拗に追い詰めるのだが。あれはハルさんがよくないとかではなく、ハルさんがギャーギャー騒いだからこそ、翔の小人達に横暴で迷惑な行為をした印象が薄らいだのだと思う。
多分ハルさんの騒ぎぶりが普通なんじゃないかと思う。トトロで、メイとサツキがまっくろくろすけに出会った時のおばあちゃんの反応などの方が、ファンタジーなんじゃないかと思う。
米林監督の場合、ちょこっとミステリー&ファンタジーなのに、急に「普通にコワイ」描写を入れて来ると思う。「ナウシカが虫に食われそうになる」描写なら、ハラハラするくらいで済むが、翔やハルさんの小人への接し方は地味にこわい
・純粋に「コワイ」描写が多い。体が小さいアリエッティの目線から見ると、翔が怪物か何かの様に見える。翔には彼女達がオトモダチに見えたかもしれないが、結構な恐怖だろうと思う。彼女のパパとママが、人間を恐れるのは無理ない。
ママが大事にしていた御台所を、翔はガシッと勝手に抜き取り、ドールハウスのキッチンをはめ込んだ。こんな横暴な事があるのかと思う。
・メアリやマーニーの時も思ったのだけど。なんで「美少女」なんだろうなと思う。ラピュタみたいに、男の子と女の子がカップルと言うか、コンビ的な勢いで出て来るのは分かるけど、アリエッティまで美少女となると、小人である意味が薄らいでしまうのでは。
(公開順は、アリテッティ、マーニー、メアリ)
・メアリの時も、ジブリじゃないよともし言いたかったのなら、主人公は男児でもよかったのではないかと思う。マーニーについて、「ブロンドの美少女」を打ち出した点を宮崎監督が怒ったとか聞くが、「ジブリ=美少女、オヒメサマ」なのはもう揺るぎないのでは。 |
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