■白痴についてです。ナスターシャは謎の女性ですが、どんなカテゴリーの女性なのかは、もしかしたら周囲の女性達の反応で分かるのかもしれません。罪と罰のソーニャと同じでしょう。
椿姫の様に。鴎外の雁のお玉の様に。又は、漱石の門のお米の様に、一定の男性からはチヤホヤされても、まともな扱いをされる事のない立場の女性なのかもしれません。
幼女の頃から、彼女は無自覚にそんな暮らしだったのでしょう。だから悲劇です。どの男もちょっとチヤホヤするだけで、真面目に彼女と向き合いません。
そんな彼女を天使の様に扱う公爵は、彼女の光であり、同時に大いなる悩みの種なのかもしれません。白痴は、「女性の自我、独立心」なんて高尚なテーマではなく、一女性の長い挽歌なのかもしれません。ナスターシャは自我とか独立心以前の問題を抱えたまま、亡くなりそうです。
■新幹線が出来る前は、新津・新庄は鉄道の町として栄えていたそうです。今はそれぞれ中堅都市という印象です。新津も新庄も、駅前がとても広いです。昔の駅前旅館を思わせる建物など見つけると、新幹線開業前の雰囲気を想像させます。
新津と言えば三色だんごです。小さめのお団子は、揺れる鉄道車内で食べてもいいように考案されたそうです。新津には鉄道資料館もあります。新庄も、山形新幹線の終点として魅力を全国に発信しています。
■自分の住んでいる場所は、新幹線の走行音が響き渡る所です。駅舎に住んでいる訳ではなく、普通の高架付近なのですが、なにせ田舎で、田畑の上を流れる様に新幹線の走行音が響きます。
何もない土地だし、正直、長年いじめ抜かれた情けない思い出、反撃に出た瞬間の日の事、他、普通に嫌な事だらけの町ですが、新幹線の走行が見られる町であるのは嬉しい点です。
自分は今日も明日もこの嫌な町にいるのだろうけれど、私の愛している新幹線は絶好調だなと思えば、大体の事は許せるか、忘れられる気がします。否、いかに新幹線と言えどもそんなマジックはないので、まあ、「私も上越新幹線と頑張るか」的な思いで一杯になります。
繰り返しますが、田舎町です。木々が生い茂ります。
都会もそうかもしれませんが、夕暮れに女の子が一人で下校なんかしようものなら、強姦にあっても文句言えない土地です。歩道だの歩道橋だのはありますが、歩行者がいません。
そんな土地なので、マイカー移動が支配的です。嫌いな父に、「どうかアタシをどこそこまで、貴方様のお車で連れて行ってください このお礼は生涯かけていたします ユアハイネス」とか言わないと、お出かけは不可能でした。もしお出かけの理由を聞かれて、「女性下着が欲しいから」とかだったら、どう開陳しろと。
(繰り返すが、暗い山道に四方を囲まれているため、変質者だの犯罪者だのがいても、逃げ場がない リアル赤ずきんちゃんの森)
鉄道はカネさえ払えば、時間通りにどこまでも連れて行ってくれます、なんて素敵な伴侶でしょう。(※自分は大人になって自家用車を所有したのち、家から鉄道駅まで安全かつ速やかに行けるようになった) |
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