■ピアノの森を読んでいます。以下、雑感です。しばらく読めなかった、4,8,9巻が読めたので、このまま最終巻までもう一周しようと思います。
・どこまで、「父親」と言うものは、子供をオモチャにして、恩を着せて、いたぶって、いい事があれば「俺のお蔭」、よくない事があれば「貴様のせい」と振る舞うものなのだと思う。(カイの場合、森の端全体が「父親」なのかな)
キャラ的にそうならまだいいが、ピアノの森の父親キャラ群があまりにあれな気がする。誉子も修平もカイも、パン、レフ、アダムスキも、自分のピアノにたどり着くまでの道のりが険しい
ピアニストだからな〜と読めばそれまでだけど、パンの言う通り、個人単位の悲劇なんて山の様にあるのだろうと思う。そのパンが、コロッと阿字野先生との触れ合いで別人のようになっていく描写は圧巻
別に阿字野先生が何かした訳でなくて。相手が年下でも、褒めて、演奏そのものを喜んでくれるだけで、相手は幸せになれるのだと思う。阿字野先生の性格が、ピアノにもにじみ出ているんだろうと思う。
響け!のあすかではないけれど。「幸せ」とか「いいなあ」と思うもののパターンが心の中にガッチリある人とは、大変。貴方の理想なんか知らないよと思う。あすかは今後もっと大変。大学進学、就職と絶対ママとバトルすると思う。頑張れあすか。
響け!の久美子の姉さんへの毒舌が恐ろしかった。年下の久美子から、「あんたパパから学費もアパート代もだしてもらっているくせに根性なし」的な事を言われ、よく姉さんは手を上げなかったと思う。久美子の本心か、両親の愚痴をなぞっただけなのか分からないが、確かに「性格悪い(麗奈談)」
姉さんも、生き抜くために吹奏楽をやめて受験に邁進しただろうし、未成年の彼女は父親の援助が必要だった。父親の口車に乗ってしまっての姉の不幸を、あざ笑う久美子 本当にさびしいのか?
・カイは修平と友達になりたいのに、修平にとってカイは敵。ショパンコンクールの結構いい展開まで、関係は変わらない。カイは修平に、ずっと嫌いだったと言われて、かなり傷ついていた。
傷つきながら、「なんとなくそんな気がしていた」とカイは言う。森の端の子供として、周囲から嫌われる事に慣れていたカイでも、ピアノを通じて知り合えた修平との軋轢は相当悲しかったと思う。
修平の場合。パパとママがああなので、どうしたら気持ちが軽くなるのか、読んでいて全然見えてこない。ママは普通の教育ママと思えるけど、パパの異様さは別格。阿字野先生のファン集団の一人でもあるけど、阿字野先生に「張りあう」気でいた珍しいキャラだった。
ピアノは誰かと張りあうもんじゃないというポーズの阿字野先生&カイと、雨宮父子の噛み合わなさが辛い。パパは修平についてド放置、ママもパパには逆らえない。誰に何を言われても、カイに裸で付き合えるレイちゃんは、いいお母さんだったのかもしれない。
「母親」というポジション故に、阿字野先生はカイ&レイちゃんに心を開いたのかなと思うけど、そういえば修平&ママコンビには、クールだった阿字野。修平ママも結構必死に妻、母やっていると思うが |
|