madeingermany

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...... 2020年01月30日 の日記 ......
■ 荷風さん   [ NO. 2020013001-1 ]

■自分は高名な小説しか読まないのか、という妙なコンプレックスを持ちながら、カラマーゾフの兄弟を読みだしたのですが。私のために書かれたのかと思うくらい、ピタッとする箇所に出会いました。名作と呼ばれる本のマジックなのかもしれません。

短気で暴力的な長兄の気持ちも。知性をよりどころにしている次兄の気持ちも分かります。アレクセイの「本当はみんないい人だよね」と思いたいのも分かります。

今、イワンがひたすらしゃべる箇所に来ました。彼が悲惨な目に遭う子供達に詳しいのは、自分と重ねているからだろうと思います。フョードルが最低の男であるのは明白でも、「親は子供をいじめ殺していい」「目上は目下を虐待してもいい」という「常識」ゆえに、裁かれません。



まだ小説の途中ですが、今からでも「多分どうにもならないな」という匂いがします。自分もついこの間まで、「お父ちゃんはどうして・・・なの?」みたいな事を明かそうとしていましたが諦めました。いじめっこ、加害者に、理屈はありません。相手を虫以下に思う人とは、会話不可能です。

イワンもあんな頭いいのだから、「父親との関係」をどうにか出来るかなと思ったでしょうが、ムリなのが分かったんだろうと思います。親父を殺してやると口に出してしまう長兄より、絶対的な復讐心を燃やし続けるイワンの方が、恐ろしい人なのかもしれません。




■今の荷風の本を読むと、特に削除された部分なく、読めます。でも昔は発禁を結構受けていました。内容のえぐさもある事ながら、根本的に人の言う事を聞かない態度がにじみ出ています。当時の政府の言う事も、あまり聞かない人だったと思います。

そんな荷風の濡れ場の描写も、今の普通の同人誌と比べると、何故これが発禁なのだと思います。うでくらべに、駒代が着物を脱ぐ描写があるのですが、脱いでいるのが和服だからなのか、脱ぐのが生真面目な駒代だからなのか、案外いいものです。



荷風の恐ろしいまでの素養、知識、経験が、これでもかというくらい絞り出ています。エロって、書いているものそのものがエロなのではなく。どれだけ読んでいる人を「エロい空気、気持ちにさせられるか」が基準なのなら、荷風はチャンピオンだったと思います。

自分ももしそういう場面を書くのなら。この年まで読み続けた数々の書籍からのエキスを、高松に出したいなと思います。個人的にデカメロン的な、いい意味でもアホっぽさが好きです。デカメロンは書いてある内容は短いしあっさりめですが、登場人物の浮かれ騒ぎぶりが好ましいです。たまにドキッとするくらい生真面目な話も挟まれています。
...... 返信 ......
■(無題)   [ NO. 2020013001-2 ]
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Collin 2021/07/01 10:49:14 [MAIL] [HP]

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