■ピアノの森の佐賀先生について、ちょっと読んでおこうと思ってコミックスをバラバラと読んでいました。アニメにもなったピアノの森ですが、情報量は圧倒的にマンガの方があります。昔なら、アニメの方がボリュームアップされていたものですが、時代が変わりました。
佐賀先生や司馬先生についても、マンガにおける情報量と濃さが魅力的です。両先生、モブ?と思わせておいて、絶対モブじゃないのは読んでいると分かります。当初カイや誉子にうんと言わなかった日本のピアノ界の変化とか、あったのかなと妄想します。
金平についても。
カイと阿字野が何かすごいことを始めたらしい事、修平がいじめられている暇もない子である事、小学生の時の金平は納得してません。
彼は親の希望したように大学に行かなくて。相撲の道に行ったそうですが、一体どんな「悪さ」をしたのだろうと思います。カイや修平のような、ちょっと皆と違う子を見つけては、いじめて回っていたのでしょうか。
彼の内申書はボロボロかもしれませんが、高校に入れないって?とよくわかりません。カイも、中学高校に森の端出身故、あちこち入学不可だったと言います。
ピアノの森のすごさは、修平のようなお坊ちゃまと、パン君のような苦労人と、カイ、金平、誉子、とバラバラの生まれの子達を同時に書いていることです。誉子に、カイやパン君の半生は想像もできないと思います。
■レベッカを読んでいます。ヒロインが、求婚されるところまで読みました。細雪で、雪子が読んでいた小説だったと思います。妙子を看病しながら、雪子が読んでいた本です。
この三姉妹、当時の谷崎の好みなのか洋風のものが好きです。聞くのはピアノ、習い事はフランス語、英語、見る映画は洋画、と雪子のハイカラぶりは随所に書かれています。逆に、モダンガールを自称する妙子の方が、実は和風な女性な気もします。
なんだかんだ言って、男がいないと人生設計できない妙子。どんなお金持ちの男に求婚されても、バカにしてうんと言わない雪子。
対称的な二人ですが、雪子の方が傲慢な様に思えます。雪子さえさっさと降るほどあった縁談のどれかにうんと言っていれば、蒔岡家ももう少しどうにかなっていたでしょう。
そんな雪子の愛読書の一つが、レベッカでした。ノリはオースティンの近代版と言えそうです。女性の視線が重要視される小説です、男はそえもの。
小説って、源氏を読んでいないと以降の物語群が分かりにくいように。もしかすると脈々とした何かがあるのかなと思います。ドストの作品も、翻案したものが多数あるそうです。コレさえ読めばいいや、と思わせない本と本との関係って好きです |
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