■炉辺荘のアンを読んでいます。子供や自然が出てきても、かつての筆致じゃないのかなと思います。前は場面こそ暗くても、浮かび上がるような明るさがありました。女性一人出てきても、よくできている塑像を見るようなワクワクがありました。
あのアンが等身大の人間になったのだとも言えるし、もしかしたら、いっそ発表順に読んでもいいのかなと思います。コーネリアが、結婚したのにミス・コーネリアと劇中で呼ばれるので、離婚でもしたのかと困惑しました。
■ジャンは士官学校のクラスや、例えばグンマ達がインフルでぐったりしていても、一人で元気そうです。高松は何とかは風邪をひかないと言ってみても、やはりどこかでゾッとしていそうです。
キンちゃんやルーザー様の「普通じゃない」ところは、性格や特徴としてカテゴリー出来る気がしますが、ジャンだけはシーラカンス的に理解できない気がします。そういうミステリーな部分もサビのお気に入りかもしれませんが、物語がPAPUWA内で閉じてくれることを願ってやみません。
■他県に旅行に行くと、その市町村の「戦時中」のことが分かります。地域の資料館や博物館に行くことが多いので、観光もさせていただきますが、辛い歴史も拝見させていただいています。
ところで
戦時中、グンマを含んで多くの都市が攻撃されましたが。時の政府は「逃げないで、みんなで消火活動しましょう」「自分の家は自分で守りましょう」「というか逃げたら罰する」と言っていたそうです。
嘘かと思いますが、「家が焼けたら、縁の下に入ってやり過ごしましょう」と言われていたそうです。当然消防車は来ません。細雪で、幸子がバケツリレーをする描写がありますが消えるはずありません。火は四方から来ます。安吾や荷風の文章にも書かれている事態です。
前橋や伊勢崎が焼けてしまっても。「でも本土に敵軍が来たわけじゃないから、いいよね」と時の政府はそんなノリだったという、嘘みたいな話があります。
門外漢なので分かりませんが。今のコロナによる混乱においても、「手洗いうがいをしましょう」「不要不急のお出かけはやめましょう」とパパッと言ってしまう政府というのは一体。
先の台風に続き、自分は目下の予定が狂って泣きそうです。私が泣いても事態は変わりませんが、「泣きたい」という事実は手放すことができません。 |
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