■モンゴメリの本を読んで。いくつかの感想です。的外れでしたらすみません。
英国文化史的なものは結構読んだ気がしますが、ベネットさんちみたいな家はいわゆる地主だし、娘たちは家事をしません。説得の家も一応貴族です。新世界であるカナダの事って、そういえば全然知らないなと思いました。アメリカの緋文字みたいな世界とも違うようです
・大体の小説の舞台は、農家。赤毛のアンのマリラの家の収入は、おそらく農作物からのもの。ちなみに日本でいう「庄屋さん」「農協」的なものは書かれない。
日本だと古くは昔話にあるような、庄屋さんがある。長者の家の嫁入りとか、ド派手な話がある一方、「働いても働いても楽にならない小作人」の話もある。京アニの氷菓のえるの家は長者の流れだと思う。
戦前戦中も、大地主と小作人というのがあって。時々手塚治虫の漫画に出てくる。「とにかく辛い」のが小作人。理由なく大金持ちなのが、大地主。地方の鉄道とかを推進した層はこのへんらしい。
その後、GHQとかの改革があって、農協が出来て今に至ると思われる。日本の農家は大変すぎると思う。
モンゴメリの本を読んでいて、このへんに触れる解説が一向に見つからない事に少し不満を覚える。マリラとマシュウの収入は?銀の森屋敷の収支は?など、知らないと読めない事が多すぎるのに、どこにも書いていない。
戦前のカナダ政治史、カナダ農業史を知らないと、実はモンゴメリの本は理解できない気がする。
荷風が売春ばかりしているけど、当時は合法だったのだという事を知らないと読みにくいと思う。他、漱石の小説を読みながら当時の帝大の事を知らないと盛り上がりに欠けるとか、谷崎が病気や地震を滅茶苦茶恐れているけれど、当時は本当に恐ろしかっただろう事とか(今もだけど)、知る前と知った後では別だし。
モンゴメリの小説は、人間の内面を扱っているのだから不変ともいえるけれど。例えば女性が結婚するしない、子供のいるいない、働く働かないなど、一応昔のカナダを知らないと本当は分からないと思う。
「ジェーンオースティンの時代」的な本をむさぼり読んだ事があるので、多少はモンゴメリの世界についていける気がするけれど。英国史よりカナダ史は知られない事が多いのでは。(※ただしオースティンの時代とモンゴメリの時代は、100年くらい違う)
モンゴメリの書く女性は、大体家事と農業をしている。それがどういう事なのかよく分からない。
竹渕の家は農家だったのだけど、「カネになる仕事をしろ」と、祖母が家で育児をしたい母をイジメ抜き、パートさせつつ、家事も農業もさせようとしていた地獄のような日々を覚えている 竹渕の祖母が悪魔の様だったのであって、グンマの農家全体がそうだとは思わないけれど
パットやジュディが、銀の森屋敷でおままごとのような、家事と育児、農業をしてるのはファンタジーなのかモンゴメリの周囲の実話なのかそれだけが知りたい
女も金を稼げと、鬼の様だった私の祖母がイレギュラーだったのか、銀の森屋敷が不変なのか誰か教えてほしい。どこかにモンゴメリの小説の様な温かみと知性と、ユーモアのある家があるのか教えてほしい |
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