■モンゴメリのアンとエミリーがどう違うのか考えていました。アンと言うと女王様の名前からじゃないかと思わせて、ブロンテ姉妹のアンもつづりがANNEです。エミリーの名前がブロンテ姉妹からきているなら、アンとエミリーは姉妹です。
アンは孤児故という事でもないですが、結婚や仕事、周囲の人間関係に非常に敏感です。エミリーは基本的に名家のお嬢様です。立派な結婚をして、家を継ぐことだけが彼女の使命だったのです。でも書くことに夢中です、それが仕事という感じはありませんが。
アンの方が円満に書かれている気がします。エミリーの方がモンゴメリの「本気」だとしても、愛されやすいのはアンなのかなと思います。
■落語心中のアニメを見ています。長い回想シーンが終わり、師匠の髪が真っ白になっていました。以下雑感です。
・いつから小夏と師匠の関係は始まっていたんだろうか。みよ吉事件以来、師匠が女性と関係している描写がなくなった気がする。いかにも芸の肥やし、疎開先のつれづれという女性関係をたしなんでいた師匠にすれば、なんか不思議。もてるのに。
助六の亡霊に師匠が怯えるのは、小夏と関係したからだと思う。生きている人達は騙せても、幽霊の助六は師匠の演技でもだませない。
・みよ吉と助六の事を考えていた
二人とも、いわゆる真っ当な暮らしには向いていない。みよ吉は助六に真っ当な暮らしをしてほしいと思っていたかもしれないが、みよ吉自体、依然として売春以外の仕事をしていない
女性の就ける仕事は少ないだろうし、みよ吉の半生を知っている人がいるなら、かたい仕事にはつきにくいだろう。でも主題歌で、「わかんない」「めんどう」という歌詞があるので、その辺がみよ吉の本音かもしれない。
みよ吉があんなに美人でなかったら、もっと長生きしたと思う。みよ吉の人生の武器は、美貌と大胆さと、運勢だったと思う。運がなければ、女一人で無事満州から帰ってこれないだろう。
不美人は「頑張らねば」とか思うが、美人の考える事はよく分からない。菊さんの幼少期の喪失感=落語への努力、は分かりやすい。
(みよ吉多分、軍の慰問をしていた先代と知り合い、比較的早い時期に、軍の偉い人達と満州から日本に帰れたのかもしれない)
助六も。最初から、非常識な生き方を好んでしてきたようだと言えるし、そもそもそうやってしか生きてこれなかったのだと思う。寄席で拾われ、菊が接してきたような「偉い人」と縁の薄い少年時代だったと思う。
みよ吉も助六も、「どうやって生きて来たか」が最期のシーンの理由のような気がする。菊さんは親に捨てられたと自覚しているけど、そういう気持ちを表に出さず、落語と落語界に従順であった。反抗こそ生きる道だった助六と、美貌と性格と運勢で生きて来たみよ吉。
落語界から遠ざかり、抵抗する相手がいなくなって気弱になったと言える助六と、何故か運勢を呼び込めなくなったみよ吉。
菊さんの「みんなで東京で暮らそう」というのは甘い気がするけど、小夏、松田さん、与太郎、信之助、そして師匠のいる家は明るそうだ。 |
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