 ■藤田先生の、邪眼は月輪に飛ぶを読みました。まるで数十巻の長編を読んだような満足感です。お話は対ミネルヴァで終わりましたが、多分この先も4人でチームを組んでお話が続くんだろうと思います。
からくりサーカスの時もそうでしたが。ガチガチに緊張するクライマックスの後の、カーテンコールのような笑顔にキュンとします。仮に「ここは突っ込みたい・・・」と思う箇所があっても、一回はちゃんと幕が下りるので爽快感があります。
・結局全ては誰の「思惑」だったのだろう。鵜平一行は誠実そのものだとしても、あれだけの機材等を使うもんだから、黒幕的な集団は依然としてあるんだろうなあと思う。
・物語のスポットライトを「親子」「夫婦」という単語で縛ると、若干味気ない気がする。せっかく鵜平親子は血の繋がらない関係なのだから、父と子以外の関係性の名前は(恋とかでなくて)ないのかなあ。多分ない。
・短めなのに、先生の嗜好溢れまくりなんだなあと思う。味方の方に怪物的なのがいないのに、イレギュラー性を覚えた。
輪ちゃんは可愛いし有能だけど。からくりサーカスで、鳴海からあからさまにガキっぽい八つ当たりされても耐えたエレオノールのような、「男から見た都合のいい女」のにおいがした。
心が読めるって、彼女の異能なのだと思うけど、もう少し「相手がじっくり話したくなる様な女性」の描写が欲しかった、いい子なんだから。
■なんであんなに、子供の頃「お出かけ」が苦痛だったんだろうと思います。
・自分で行き先を決められない
(竹渕の行きたい所なんて、県立図書館か市立図書館か、町立図書館なんだが。子供の足で行ける場所にない上に、保護者が活字嫌いだった。保護者と最も遠いところ、それが本の世界でもあった)
・別に欲しいもの買ってもらえるわけじゃない
(欲しいもの・必要なものの購入をお願いしても、「もっと安い代替物を探せ」「くだらない」等、保護者から責められる。仮に何か買ってもらっても「俺が買ってやった」と365日言われる。女として身を飾る楽しみは、ガチで社会人になってから)
・車キライ
(単なる移動手段のはずなのに、県民性なのか「オレこんなすごい車乗ってる」的なにおいがあり、兎角キライ。自分で楽しんで運転するようになったのは、この数年のような気がする。あと密閉空間キライ、音や空気がこもる所がダメ 酔う ああ殺される・・・と、心がズタボロになる)
・遊園地やスキー場などの、入園料等を親が払わない
(本当に小さい頃は、スキー場のリフトなどをスキー場の人も「親が払っているだろう」といちいち子供を通して確認しないらしく、私はずっとタダ乗りしていた。本屋に行けば「立ち読みしなさい」と教育された。
恥ずかしいし正しくない。何より、正規の料金も払っていないなら、遊んでいても?全く楽しくない。ウソまみれ。大人になって、自分のお金で何かする喜びを覚えた)
そのうち、小金をもって小さな温泉旅に出たいです。密にならない場所のセレクトなら、自信があります。アラシヤマが時々、全く余人に自慢できない事を自慢することがありますが、心底分かります。 |
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