 ■漱石の作品で、多分一番金を使った男・代助。次男だけども帝大を卒業し、親のコネで徴兵もされず。親の金で、芸者買い・洋書の収集などに励んでいます。
さて代助。「今の日本は、外国の真似ばかりしていて間違っている」「だから僕は働かない」と断言します。「仕事なんて、金に余裕のある者だけがすればいい」とも言います。漱石の本音なのでしょう。
そんな代助に、なら君こそ働けばいい、貴方はおかしいと、平岡も三千代も言います。代助の言葉が甘えなのは、本人さえ認める事実です。
自分は何冊かジェンダーについての本を読んだのですが。どれも読みやすい本でした。「男尊女卑だから未婚化、少子化が止まらない」「〜だから結婚、出産に女性が及び腰になる」など書いてあります。世の中のこんな点を見直していけば、よりいい世界になるのでは、という本でした。
竹淵も、男尊女卑の波に振り落とされた方と言うか。身を立てるような容姿もコミュ力もなく。せいぜい学歴と収入で身を立てようと頑張ったら、お見合いで「俺より頭がよくて金のある女は要らん」と結構断られました。
代助じゃないですが。「世の中がおかしいから俺は働かない」と言う主張が通るのなら、「世の中がおかしいから竹渕は電車が恋人」という理屈もあります。
理屈は理屈として。平岡と三千代から、「それはおかしい」「竹渕こそ結婚して子供を生んで人一倍頑張って、よき国民として身をもって日本国をよくするべき」とか言われるのでしょうか。一応、あれこれ頑張ったので、代助の如く、真っ赤に焼ける世界に行ったこともあったという事で許してほしいものです。
■さる漫画家さんが。リアルでクリスマス会をしたとツイッターで上げていました。いやいや、オンラインクリスマスだろうと思って見てみたら、同じテーブルの上に、きっちり二名分の食事が並んでいました。
ああ、きっとご夫婦かなにかなんだろうと思い、長年名前をお見掛けするけれど、いやそうじゃないと思い。
ああ通常営業なんだと思いました。クリスマスしちゃダメなわけじゃない、ただ会食NG、なるべく静かな年末年始をと言われているだけです。ケーキやお肉を食べるのは自由です。
でもそういう事から、色々な寿命が縮むんじゃないかと思うと、見ているこちらの方の寿命が縮む思いでした。もう「いやいやこのご時世だし、名の知れた人がそういう事やるのはマイナスになりかねないよ」と言う人も少ないのかもしれません。 |
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