■小説のムーミンを読んでいます。おおまかには平成ムーミン、映画等、パペットと同じです。
ただし地の文の攻撃性が随一です。アニメの昭和ムーミンの、スナへの迫害も陰湿ですが、小説の攻撃性はシンプルに攻撃的だなと思います。平成ムーミンが相当丸くなった状態なのでしょう。(パペットの場合容赦なく無表情なので、かえって見ていてもあれこれ考えないで済む)
ムーミン谷の夏まつりを読むと。平成のアニメでは、劇場のエンマは姪思いの「こだわりの強い」くらいの女性です。しかし小説だと、「攻撃的」の一言で大体まとまると思います。
日本の小説だと「こんなことしちゃう人だけと、ちゃんと理由があって、最後にはみんな仲良しに〜」という甘さがなくもないですが、ムーミンの小説だと「嫌いなものは嫌い、嫌な人は嫌」とハッキリしています。
嫌な事も嫌と言えない、縦社会でがんじがらめで、ムラ社会から出れば、死が待っている日本と。そうでなさそうな女史の思う「世界」。道理で、子供の頃ムーミンの小説を読んで理解できなかったわけです。あまりに異世界過ぎます。
■明暗の津田がダメ男過ぎて、本当に大正時代の話なのかとゾッとしました。どうもこういう男、自分は知っている気がします。
延は別れるといいと思うし、なんでこんな男に藤井家やら吉川夫人やらは、目の色を変えるのか。(男は男に甘い、漱石は津田に甘い)
津田は
・プライドが高い (美男子は美男子らしい。ゆえに、金持ちの娘の延との結婚にも躊躇なかったと思う。「自分の収入と釣り合わない」なんて夢にも思わない男)
・でも中身がない (本当に中身がない。
吉川夫人がベタベタしてこないと、多分津田は首になっていると思う。若い男にキャイキャイしている夫人が気持ち悪いんだが、夫人は漱石好みの女。「金持ちで既婚で、身内でも他人でもない距離の甘やかしてくれる女」)
・シスコン (津田が秀に甘い訳じゃないんだが、秀が津田にベタベタなので、勢い夫婦の話もザクザク切り込んでくる秀。そういう秀だから、兄を更生させるという義務さえ勝手に負っているんだろうが、気持ち悪いくらい兄妹の距離がない 怖い)
・冷たい (人に親切にしたら負け、みたいな男。相手が妻だろうが妹だろうが、同情、共感と言う事を絶対にしない。
こんな男、誰にも相手にされないで痔疾でどうかしてしまえばいいと思うが、ある意味漱石の書いた男達の究極の形なのかもしれない。思えばみんな、薄情な男ばかりだった)Content-Disposition: form-data; name="image"
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