 ■昔、成長しない子供と言う、ホラーと言うか怪奇ものを読んだかした覚えがあります。
怪談の定番と言うか。すくすく成長するお化けってのもないし、無力な子供が無力なまま打ちひしがれて生を終えて、終え切らずに漂っているという構図は怖いです。怖いものが苦手です。
ミイを見ているとゾッとしてくる理由が、自分でもわかってきた気がします。生意気で、放火とかしちゃう子というだけなら、まだムッとするくらいで鑑賞できても。(昭和ムーミンはそんな感じ)
知恵と言うか賢さ、老成さまでミイにプラスされてくると、理解を越えます。二次元に賢い幼女と言うのは珍しくないのですが、大抵そういう子はギャグっぽいか、「所詮世間知ではない」という一種の愛嬌があります。
ミイはガチで「年寄りポジションの子供だけど、ずっと年少のムーミンとも無邪気?に遊び、ムーミン谷の末娘ポジションでもある」という、いびつなキャラに思えてしまうのです。
童話ムーミン、および数多の映像化作品同士の時間軸が合ってないこともあるんですが。ミイは「いつまで経っても体が小さい」という設定があります。つまり脳内だけ成長していると言う事になります。怖い。
いつまで経ってもミイは「女」にならないし、母や姉やスノークのお嬢さん、ムーミンママなどが好きな男と時間を共にするのを冷めた目で見ているだけです、バカねと。怪談でなくてなんだろうな、と思いました。
■風とともに去りぬを思い出していました。とかく、喪失の話だったなと思います。スカーレットは、まず冒頭でアシュレを失っています。l
アシュレがメラニーと結婚したからですが、なんでこの「妥当」な結婚にスカーレットが思い至らなかったのかと思います。最初の結婚も、スカーレットにとってはヤケみたいなものでした。
次の結婚も、無謀と言うかヤケと言うか。普通の人だったら悲嘆にくれる、忘れようとするだろう時に、ヤケクソになって何かしてしまう彼女は魅力的です。
そんな彼女の心の支えが
・母のエレン ・義妹のメラニー ・元夫のレット
です。あとはタラ農園そのものとか、父親のガッツある生き方とかも彼女の支えなんだろうなと思います。続編でマミーが死んでしまうらしいですが、スカーレットは耐えられなそうです。
エレンは30代の若さで死んでしまうし。メラニーの本当の強さは彼女の死の時に、やっとスカーレットに伝わるし。レットは確かに頼れるけど、どうにもいつも食い違うしで。
スカーレットの人生は上手くいきません。神様は乗り越えられない試練は与えないと言いますが、彼女の反発していた敵みたいな存在こそ、彼女の本当の理解者であり、無償の愛を与えていたと読んだ本の解説にあって、ウルッと来ました
そんなに素晴らしい人達に囲まれていて、何故スカーレットはこうも破滅的に生きるのかと思いました。北部の軍人家族を招いて派手に過ごすくだりは、流石に彼女の感性を疑いました。
彼女は優しくはありません。行動力も決断力もあるけれど、いつも破れかぶれです。メラニー達からの愛を受け入れ静かに暮らせなかったのかと思いますが、それじゃスカーレットじゃないしという矛盾。 |
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