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...... 2021年06月21日 の日記 ......
■ 松子さん   [ NO. 2021062101-1 ]

■松子さんと言っても、おそ松さんのキャラクターではなく、谷崎の最後の奥さんです。


幸子のモデルとしても有名な女性ですが、結構毒々しい荒波を越えて来た女性なのかなと思います。相当美化しているかもしれませんが、あれこれ読むと本当に細雪って「あったこと」なんだなと思います。

以下雑感です。ウィキや書籍等でも書いてあるので、名誉棄損にはならないといいと思います。谷崎の本と言えば千葉教授で、今、千葉先生がまとめた松子さんと谷崎の書簡集を読んでいます。



・細雪のどうにも分からない点。

妙子が啓三郎と駆け落ちしたという事件の新聞報道が、「雪子と啓三郎が駆け落ちした」と誤報されたという、いかにも重要そうな上巻のお話

雪子と啓三郎が「出来ていた」事はなさそうなので、「雪子が迷惑をこうむった」というお話で済みそうなのだが、本当に松子さんの前夫と、松子さんの末の妹は「駆け落ちした」という

根津さんのしたことを思うとなんじゃそらと思うが、谷崎のしていた事の方が野放図で、怒る気にもならない。丁末子さんとの婚姻と同時期に、松子さんを意識し出したわけだし。



細雪的には、幸子の夫と啓三郎が同一人物でないので、あくまで「こいさんの事件」で終わっている。雪子は関係ないじゃんと思わせておいて、幸子の夫(=谷崎)が異様に重子さんに執着して、一つ屋根の下に独身のまま住まわせると言う事をしているわけで、怖い。

谷崎はずるいが、戦時中だったせいかあっさりした谷崎作品という例外的な存在それが細雪。

貞之助の生まれや実の家族について、まるで劇中で触れられないのは卑怯とも言える



・書簡集を読みながら

ここまで執着されたら、松子さんは気が変にならないかと思う。当時相当困っていた、もともと文学少女だったなど挙げられるが、大丈夫かと思う

あと

根がわがままで贅沢好きで、安楽な暮らしが好きな谷崎が、「貴方の家来になります」とか無理だと思う。後年の作品だと、「若い嫁のキレイな足で踏まれたい」とか、「若くて明るい、体も豊満な女中達ラブ」と嗜好はさらに暴走する



谷崎からの「愛情」に全幅の信頼を寄せていたら、到底耐えられないようなオリジナリティあふれる愛欲全開の作品群じゃないだろうか。松子さんの「バランス」とはと思う。

ちなみに後年の谷崎はエロスあふれる小説を、若い速記の女性に口頭で伝えていたと言う。稼げる「変態」と言う稀に見る文豪だったと思う。

(大体の人は、自分の「変態」性に振り回されて、上手くいかなくなるのでは。荷風の凄惨な孤独死、若すぎる芥川の死、など谷崎を震え上がらすことが多かったからか)

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