■金田一の犯人は、普通に近い大人が多いなと思います。コナンだと若い美男美女が多いイメージです。
若い頃刑事ものなどを見て。なんでいい大人が、益のない犯罪なんか今更するんだろうと思いました(大体動機が10年前〜とか)。彼等はほぼ刑事さんに捕まってしまいます。
若い美男美女の事は分かりませんが。「いい年」になって、「なんとかここまで自分は生きて来た」という油断の生じた頃合いに食らう一撃は痛いです。
若ければ「次がある」と思えたかもしれないし、幼ければオッサンにパンツ脱がされた幼女の様に「何されたか分からない」ままだったかもしれません。
「ひどいいじめを乗り越え、なんとか就職して何年かした時。過去の加害者たちに仕事上で出会ってしまい、仕事は不真面目にされるわ、飲み会で残酷にいじられるわで、ふさがっていた傷が一気に開いた」なんてのは、十分な犯行動機になるでしょう、悪いのはいじめの加害者なのに。
■身内を刺すと言うと、るろ剣の宗次郎を思い出しました。
宗次郎の場合、志々雄さんが家にこなくても、虐待で死んでいたろうし。よく言われる「逃げればいい」をやっても、子供の足でどこに行けるでも無し、そこそこいい家なので、「お宅の子が」と発見されて、連れ帰られそうだし。
恥さらし、恩知らず、と義理の家族にボコボコされて、早晩死んでいたんだろうと思います。志々雄の事は極端ですが、殺さないと解決しない事はあります。
言い方を穏便にすれば、「相手がいなくならないと解決しない」ことが沢山あります。
これ、別に竹渕が薄情なんじゃなくて。ジェインオースティンの小説でよくあります。金持ちの相続人だから、チヤホヤモテモテになる少女の話とか(当時の事なので今ほど長生きじゃないとしても)。ノーサンガー・アビ
露骨なのはエマです。チャーチルとミス・フェアファクスは、チャーチルの伯母さんが死なないと幸せになれません。
伯母さんが地位のないミス・フェアファクスを気に入らないと言うのが大きな理由ですが、なんで伯母さんの許しがないと結婚できないと言うと、チャーチルが伯母さんの遺産を相続できなくなる可能性があるからです。
自分の気に入った結婚をしないと、伯母さんは遺産をチャーチルにくれません。なら、病気がちで気難しい伯母さんが死んでから遺産をもらい、結婚しようという計画です。なんて不誠実なと思いますが、彼等の収入は年金か相続しかありません。人の死が増益の最大のチャンスです。
一時期、オースティンにはまったので大体読みました。今の日本は、ほぼ恋愛結婚しかありえないし、「階級」が一応「ない」ので、再現は不可能です。(高慢と偏見のエリザベスでさえ、「自分は地主階級、不労所得で生きている」という自負がある!)
宗次郎じゃないですが、「相手の退場」でしか自分の運命を動かせない事態はままあります。穏便に「自分が遠くへ行く」のが正解に近い気もしますが、イジメ問題の様に、死ぬほど辛い目に遭った方が、さらに苦労せねばならないというのには異議ありです。
金田一じゃないですが、殺したい相手と何とか距離を持っても、ひょんなことで再接近してしまい、衝動的に絞殺ってのもリアリティだと思います。 |
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