■剣持警部の殺人を読みました。以下雑感です。
・金田一のミステリーの最大の弱点は
「結局犯人を捕まえるだけ」な事なんじゃないかと思う。剣持警部や明智さんが、悪い奴をしょっぴけば一の出番も終わる。裁くのは担当が違う。
だから剣持警部の殺人のテーマも、犯人の更生にあるのかなと勝手に思っていた。
あんなに反省しない犯人も珍しい(殺された二人)
いつも思うのだけど。反省や更生を期待できるような男なり女なりが、残虐な事をするのだろうか。「性根が腐っている(無自覚)」から、まさしく金田一的な犯罪が終わらないのでは。
このへんは剣持さんも明智さんも、一も無力。昭和テイストが売りの金田一なので「お母さんが悲しんでいるよ!!」で犯人もウルッと来て終わることもある。
こう思うと。初期の金田一の様に「犯人の自害」で終わる終わり方が、一番「キレイ」とも言えそう。元も子のないのだけど、剣持警部の殺人を読んでいると、高遠の指示であの二人が殺されないと、永遠に女の子を拉致監禁暴行致死した二人が「大手を振って」いることになる。
金田一他主要キャラは高遠を憎んでいるし、高遠も裁かれるべきキャラなのだけど。結局高遠は金田一お馴染み、「過去の犯罪に対する、復讐のための現在の殺人」の、新しい方の殺人に手を貸しているだけで、過去の極悪犯罪に対しては、一も明智さんも剣持警部も高遠も無力。
「お母さんを残虐に殺したアイツを、今アタシがこの手で殺す」式の現在の殺人なら、発端は「お母さんを殺された」事にある。高遠をかばうわけじゃないが、高遠が種をまいたのはそんなに古い事じゃないとも言えそう。
金田一はそろそろ、犯罪撲滅キャンペーンとかやった方がいいのでは。(そうなると今度は殺人事件じゃなくて、法廷ものになるのか。ジャンルが違う。法廷は法廷で、犯罪者に甘く、女子供・被害者に嫌がらせの様に厳しいのであまりいいテーマじゃないしなあ・・・)
・警部と言う、殺人ものでお馴染みの階級を持つ剣持警部。警部ってのにお馴染み過ぎて、剣持警部より若くて「偉い」明智さんの存在に困惑する。
コナンもそうだけど、警察と言っても公務員なのでキャリア、ノンキャリア等の階級が細かくあり、しかも県警と中央とあり困惑は最大値
何回見ても、コナンの劇中の人間関係が把握できない。
(市民に接するのは県警や、地元のお巡りさんと言う事になり、明智さん達の存在は雲の上になる。明智さん達はその意欲や行動に比べ、どうしても「みんなのお巡りさん」的にはなれない。
警部って、ギリギリ「みんなのお巡りさん」と認識できるてっぺんなのかもしれない。銭形警部のお陰だろうか。その銭形も一向に昇進できないし、嫌な仕事をさせられていると劇中で言われていた) |
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