■三国志に瑾お兄様が出なかったら、今日まで三国志フィーバーな人間だったかと思います。自分の性癖(いやらしい意味だけじゃない言葉)の、7割くらいはお兄様由来なんじゃないかなと思います。
・同性で金持ちで、優秀で、人格も出来た兄 (瑾兄ちゃんは名家の長子なので、洛陽で勉強している)
・適度に冷たいが、大体いつも見守ってくれる
・自分がピンチの時にはなんかしてくれる (本当にギリギリの時しかお兄様動かないけど)
・(あくまで身内なので、性的に成熟した自分の姿とか希望されないといいなと思う。お前は昔からそうだねとか、ニッコリ言ってくれると思う。他人の異性とかいらん。)
他拡大解釈すると。(ここで「きょうだいが欲しい」の主語が変わる)
細雪で自分の妻と妹を同時にゲットしたような貞之助さん、自分の妻と美貌の姉を同時にゲットしたような蘆刈の人、他大体の谷崎的な「同性の美しく金持ちで性格も好みのきょうだいをまとめてゲットし、性的な緊張感や社会的責任なんか一切負わず、思うさま楽しい事だけしたい」という事なのかなと。
他、台所太平記や卍、鍵等で、谷崎の変態的なまでの「設定の多さ」があるんですが。ふと、自分がイニDの何にゾクゾクしたのか思うと、一回冷静になろうと思えてきました。
(だから赤城温泉郷に行きたいのに 高橋兄弟と北条兄弟について一回クールダウンしないとエンジンが壊れる)
■春琴抄を読んでいます。
谷崎の最高傑作と呼ばれることもあります。谷崎「舞台設定」勝ちだったのかもしれません。特異な関係の男女が、思うさまセックス等を楽しむ、という設定を何バージョン持っているのか谷崎は恐ろしいです。
(老人の性も扱う谷崎だが。恋や愛を若さと重ねない、結婚して所帯を持つのが普通の幸せと思わない非情さがあると、永遠に「設定」を更新して楽しみ続けられるらしい)
春琴がかわいそうだなと
彼女の失明、「普通の人」として扱われない事など、彼女自身の「かわいそうさ」もありますが、佐助がらみの不幸は恐ろしく巨大です。春琴抄というと、美女にかしずく男という構図ですが、全然佐助、春琴の事大事にしていません。
春琴が佐助を異性として好きだった場合。
佐助が「どんなアタシ」を好きなのか、春琴は分かり過ぎるくらいわかる。若く美しく傲慢な女が好きなのであって、老けて気弱で、自分の赤ちゃんを育てる普通の女にはしてくれない
何回妊娠、出産しても、全部養子に出してしまう。(ほとんど捨て子、最早犬猫と同じ)
容貌が加齢で衰えれば、熱湯を顔面にかけて顔を潰され、人前に出られない顔にし。自分は「老けた女の顔なんか見るのも嫌」と目を針で潰す
よく出来た人形の様に愛撫、性交して、絶対に「奥さん」にはしてくれない。加齢し、気弱になっていく春琴がいかに心細かったかと思う。
春琴抄を最高傑作だという人は。谷崎の文筆の美味さと、確かに高い完成度を見ているのだと思うけど。谷崎の人生は「拝跪」にあるのではなく、小説の女達の「廃棄」にあると思っている。
次々に若い女のモデルを得る谷崎の気力体力がすごい |
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