■好みの問題なんだろうと思うんですが。
頭脳とセクシーって全く反しない存在じゃないかと。田舎の古い地域の生まれなので、「女が勉強して何になる」と言うのは結構言われました。心底哀れそうに言われると悲しかったかなと。
頭脳はともかく。なにをしてセクシーかと思うかの問題なんだろうなと。DV的に「徹底的に男に逆らわず、男にイエスとしか言えない女」が(男の希望する)セクシーなら、むしろ九九さえ言えない方が理想なのかなと。
(DV的にいうと。女はバカ、バカな女に、賢い男である俺様が、世界というものを教えてやる的なノリは結構ある。というか枚挙にいとまがない。対子供でも同じで、相手がバカで非力ならその方が嬉しい男はいる)
ああそうとか思わないんですが。
不二子ちゃんというアイコンがあって。頭脳とセクシーが仲良く同居した好例なのかなと。彼女が二番目に得意なのがメカだそうです(一番は男の扱い方)
昔だとセクシーな車と言うキャッチフレーズもありました。ギリギリまで上げた性能や外見を指してセクシーと言えるよなと。GT-Rとか。エボも。あんまりいませんが、京一みたいな頭脳とムキムキが同居したタイプが好きです。
(イニDだと延彦、久保さんみたいな策士系が好き ピュアな清次も好き。感性派より屁理屈派が好きかも。拓海と恭子は好き。豪ちゃんは本来感性派だけど、凛さん不在で策士系に傾いている)
■漱石信者です。林芙美子の小説に「漱石信者」が出ていて、ヒロインが冷めた目で見ている場面があるんですが、漱石信者って普通の事じゃないんだなとその時思いました。
取りあえず信者です。以下、三四郎序盤雑感です。
・全くイケイケでない三四郎
・坊ちゃんとかもそうなんだけど、漱石の書く青年達は一部を除いて、ほぼ帝大在学・帝大卒・帝大中退等のエリートになる。坊ちゃんは今でいう東京理科大学出身。
そもそも坊ちゃんは「親の遺産で勉強する」という理性と知性と行動力の持ち主。おバカな人ではない。むしろ「バカ」になって四国に溶け込めればよかったろうにと思う。
・寂しがりでプライドの高い三四郎
・美しい美禰子と出会う。勉強して成功して、呼び寄せた母と、美しい妻を得て暮らすのが夢である三四郎なので、美禰子はまさにヒット。
美禰子は美人で金持ち。そして「肉感的」で女王然とした与次郎なんかゴミになってしまう女。「怖い絵」で再度知られた画家、グルーズが例えに出てくる。
あの「処女を失った」娘の絵とか。ロココ全開の絵の人の作品と、美禰子を並べる極意。頭大丈夫かと思う。美禰子、そこまで自分を偶像崇拝されて気持ち悪くならないか。
美禰子が特異なのは。
当時なので、口もきけない女の方が主流だったのでは。虞美人草の小夜子みたいな。よし子はよくしゃべるけど、野々宮と言う絶対の兄の存在故の「少女」らしさとされる。
美禰子にも兄がいるけど、婚活中で兄の結婚が決まれば、自分も片付かないといけない自覚がある。人生の過渡期の女。三四郎と会った時、既にいくつもの縁談に囲まれていた。
三四郎を面白がる美禰子。でも三四郎の意気地のなさと、嫌味なプライドと、田舎くささと、夢見がちな部分を思うと、小僧にしか見えないと思う。
それにしても、ドップリ美禰子を描写する地の文にゾクゾクする。姦通小説である行人、それからも頭おかしい時があるけど、三四郎はまだキレイ。
こんななめまわすように女を見る漱石が怖い。あと、戦前の文章で、本来全然分かんない世界のはずなのに、平気で読める完成度の高さが怖い、信者でよかった。 |
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