■本を読もうとして、手にしたのが宮本百合子の伸子でした。一回読んだかもと思って読みだしたら、読んだ事あった本でした。
野上弥生子の真知子は、伸子を意識した作品だと聞きますが、伸子の方が生々しくて好きかもしれません。真知子だと、野上弥生子の恵まれまくった人生が染み出ていて、ふうーん・・・と思う時があった気がします。
伸子も、私小説みたいなノリなんですが。本当に古い小説かと思います。以下雑感です。
・男が酷い
・とにかく酷い
・貧乏で美男ではなく、年も取っていて、周囲の評判もよくない。親類付き合いも地味で、地位や地縁等もほとんどない。
無口で偉そうで、大学で先生やって本出すくらいなので「偉そう」、しかも帰国後の就職は伸子の父の斡旋らしい。妻の実家だよりの癖に、変にすまし込んでいて、そんな態度が高尚だと思っているかのような不愉快さ
なんでこんな男と結婚したかと言えば
そもそもヒロインが、普通の結婚だのお見合いだのを嫌う、ちょっと変わった女だったからとしか言えない。
あたしちょっと変わっているのと思う女は、変わった男を、男の方がグズグズしているのをいいように受け取り、アホな結婚をしてしまうのかもしれない。
変な車でも買って、一人でドライブするのとは訳が違う。変な男には、慣れない、嫌うしかない
ちょっと変わった男と、ちょっと変わった人生を楽しみたいという欲望は分かる。でも多分失敗する。変な男でも、普通の男でも、所詮は男だから。
みみっちくロマンチックでケチで、女を見下し、既成の社会の中でしか生きられないのに、常識や習慣を見下し、ご高尚ぶるのが男。女が必死に生きようとするのを、馬鹿にして批評するのが男
男である以上、あかん
なんでヒロインが結婚したかと言えば、不安とか寂しさとかごく自然な感情からだったと思うが、そんな「自然」は自分の中のことであって、目の前の男とは無関係だったという事
この話、ヒロインが離婚して終わりらしい
欧米の女流作家のものだと、割と男が目を覚まして愛を取り戻す・・・話があるけど、日本のものはあかんのだろうか。大体、そもそも男が買春大好きだったりする。
(西洋ものを読んでいて、買春大好き!!な男に出会わないのは何故だろう。時代は戦前くらいでほとんど同じなのに。和物の話だと、大体本妻プラス妾がいたりする) |
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