■とんでもなく長い日本の小説は、大菩薩峠ですが。洋物の様に長大な時間を扱ったわけではなく、同じような時間と空間をいつまでもグルグルと回っています。
今で言うならコナンみたいな感じなのでしょうか。大事件が起こりそうで起きない、登場人物が激増し続けるのに、話が進展しないなど。
(※新一対黒の組織の話が膠着しているあたり 各個の話は盛り上がるけど、佐藤刑事&高木君の恋愛とか、時間がまるで進まないのに、肉体関係他は絶好調なんだろうなと思う)
いや時間を経たせるの難しいよねと思いました。
・涼介・啓介はいつまでも親の金でバトルしないと、プロDにはならないし。涼介が卒業、医師免許取得等したらもう別の話だし。赤城レッドサンズは涼介・啓介がいないとどうなるのか?とも思うし。
涼介、京一さんといつまでもゆるく付き合って欲しいけど、リアルな時間の流れの中に京涼を置くなら、本当に数年だけの「付き合い」なのかもしれない。
そこは京一さん、ラリー志向だけどMFゴーストで言うならどうも活躍は国内オンリーっぽい、ラリーだと世界中が仕事場ってのも考えられるのに。
そうだよね、海外勤務になったら群馬永住っぽい涼介に会えないね、逆に涼介が群馬で動かないのなら、京一さんが仕事終われば会えそうだね、と妄想。
それくらいの距離間の方が、京一と涼介っぽいのかなと。あくまで妄想だけど、涼介のご両親「いつかそんな関係?飽きるやろ そしたら、ええ結婚話あるから家に帰って来い」と看過・放置していたら、涼介が40歳越えになった摩訶不思議。
■暗夜行路を読んでいます。主人公がそろそろ結婚します。漱石のこころじゃないですが、両性の合意なんてもんはなく、家と家、「偉い人」と「偉い人」のやりとりです。
流石志賀、漱石の小説じゃお公家さんの登場人物までは出ないと思います。以下雑感です。
・20年くらいかけて書かれた小説なので、一気に読むと話が飛んでいる。
あの話、あの人どうなったかなという「つながり」はない。新聞小説、雑誌掲載等ではないので、自分のペースで書かれたんだなと思う。
そう思うと康成の雪国を思うけど、あちらは「つながり」があると思う。主人公と女性達の顔ぶれは変わらないし。
志賀のものを読んでいると。いきなり始まっていきなり終わる気がする。
暗夜行路も、短編集であるという見方があるそうで、納得できそう。一個のテーマで延々書く、密着して書くのは志賀っぽくないかもしれない。
暗夜行路、最初の「父親との不仲から、世界対自分みたいな話になる」のが読みたいなと思いました。割とマンガでそういうのあるんじゃないかなと思います。
志賀の場合、お金持ちなので、それからの代助みたいな展開はないだろうなと思っています。金の切れ目が縁の切れ目、ついでに自分の命も危うくなる、という感覚が漱石には濃厚でした。金力の強い事を知る、とか漱石が言っていました。
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