 ■暗夜行路雑感です。登場人物も、物語の舞台も基本「使い捨て」なので、とても読みにくかったです。主人公は働かないし、けど転居・結婚・旅行等のカネはたんとあるし。いきなり現在で言う数十万のカネがポンと出せるし。
暗夜行路は短編小説の集合体と誰か言っていました。うん、肝心?の父親も後半ほとんど出て来ません、兄も主人公の友達も、直子を強姦した男も、場面場面でしか書かれません。小説じゃないじゃん、とちょっと思いました。
・直子、許してくれって、いやいや
新婚時代なら兎も角、妊娠中の妻に「温泉行こ〜(※当時なので結構険しい道のりのはず)」だの
赤ちゃんが生れれば生まれたで
「変な顔〜(※意訳)」
「おしめもミルクもどうでもいいから、テメエちゃんと女らしくおめかしして、一緒に汽車で宝塚行くぞ?遅刻厳禁、は?赤んぼがウンチ?知らん知らん、このノロマ(※意訳)」
「汽車動いちゃったじゃん、まだ乗れないの?もういい、ノロマ、グズ、エイ☆(もう乗車していた夫に体を突き飛ばされて、ホームで転び、直子全治二週間くらいの腰の怪我)」
「イトコのお兄ちゃんに、レイプされた?実家帰れや、俺は俺で大山籠るわ」 (※夫は結婚前に、花柳界で散々遊んでいる)
直子、許されざるのは夫じゃないかなと。
■暗夜行路を読み終えました。以下雑感です。なにせ1920年頃の日本の小説なので、ギャップもすごいし、志賀と言う特異な作家という点を考えさせられます。
志賀、漱石が明暗のストックまで残して亡くなって、
谷崎がほぼ無限に作家業していたのに対し、
暗夜行路を書き終えた50代の後、無くなる90歳近くまで、あまり書いていない。書いていなくはないけど。
書かなくてもいい作家ってなんだろうと。原稿料や、印税なんか、志賀には無関係だった・・・・と思う。生まれながらの金持ちだから。実家が1600坪だったらしい。(※啓介じゃないが子供の身で、舶来の超スーパーカーに匹敵する「自転車」をたびたび購入 信じられない)
サッカーコートがほぼ2000坪だそうだから?
よく分からないけど、細雪の雪子の新居でも100坪の庭だと言うので、志賀のお家は豪壮の一言かもしれない。 |
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