madeingermany

[PREV] [NEXT]
...... 2023年03月15日 の日記 ......
■ 谷崎   [ NO. 2023031501-1 ]

■伝説みたいなものなので、もういいかなと思いますが。

細雪の雪子のモデルになった、重子さん。順調で、姉夫婦と最盛期な頃はよかったかもしれないけど、夫は亡くなるし、一緒に住めなかったし(谷崎のせい)。

飽きっぽく欲深な谷崎なので、他の若い女性に目移りするわけで。ピカソかと思いますが、身内の若い女性に夢中なんて、さぞや辛かったろうなと思いました。

「捨てる」ことにかけて、谷崎程「得意」な作家はいないだろうと思います。(女性、作風、趣味、交際、故郷、住所、家、家族、名前、部下、なんでも「捨てる」)




■最近谷崎を読んでいないんですが。

有名な長編などはパッと読めますが、クリア過ぎる古めの短編とか読めるかなと思います。

谷崎は後期になると、関西文化の影響や「お嬢様に読んで欲しい」「一個一個の小説を高めに売りたい」のか、比較的おとなしくなりますが、初期は暴走だよなと。

横浜時代の頃とか、多分過激で読めないだろうなと思います。とんでもなく長いけれど、読みやすいのは細雪だろうなと思います。




ところで

春琴抄で有名なのは、佐助が針で目を突いたところですが。目の見えない春琴を支えるはずの佐助が、目を失うのは愛ゆえだったとしても納得できないなと。

春琴が熱湯を浴びたのは事故だったとして

火傷で美しくなくなった、また加齢も始まった春琴の「容貌」を見たくない佐助の選択があれだったと思うと、谷崎だなあと思います。




そういうクリアな所以外に。春琴の小鳥を飼っている描写がいいなと(いいんだけど、春琴のわがままぶりの紹介みたいなものなので、なんだろうなとも思わないでもない。

信じがたいくらい豪勢な暮らし、それが谷崎。でも男にはキツイだろうから、息子二人それぞれにロータリーとかは買わないと思う)

...... トラックバックURL ......
  クリップボードにコピー

...... 返信を書く ......
[コメントを書く]
タイトル:
お名前:
メール:
URL:
文字色:
コメント :
削除用PW:
投稿キー: