 ■細雪で。雪子が小説のレベッカを取り寄せる場面があります。幸子の家の書棚にあった本だったと思います。どんな小説だろうと思って読んだら。
「ヒロインはある貴族の後妻になった。屋敷には亡くなった前妻の家具だの習慣だのがビッチリあり、使用人達もヒロインを受け付けない。」
他様々な家庭内トラブルが起きる小説です。雪子こんなん読んでたん?と怖くなりました。
■結婚しないから勘当というと、それからですが
あの場合、なんで30歳まで代助が高等遊民出来たかって話なのかなと(※帝大卒業時、既にアラサーなのが当時)。裕福な家だからというのが最大の理由ですが、確か漱石の現代日本の開化で、
「子が親に家賃や生活費を払うのはおかしい」と言っています。
は?と思いますが、つまり漱石の場合、いい大人を想定していなくて、道草の様な「金のない」ほぼ高齢者や、弱い女性や子供の事を想定してのことなのかなと。
早くに結婚する時代なので、早々に「子供」が「親」になる時代とも言えそうです。親も今ほど長寿でなく、漱石は50歳前に亡くなりました。
明暗でも、津田が親からの送金ありきで生活しています。なんで?と思いますが、それもある種の理想だったのかなと。
漱石と言えば金銭トラブルです
小さかった漱石に贅沢をさせていた義父母は、手のひらを返して「養育費」を請求し、道草の様に延々漱石から金をむしり取ったと言います。
その経験を踏まえての、「子が親に家賃を払うのはおかしい」なのかなと。代助、いつまでも無職でゴロゴロしてるのも正義・・・だったのかなと。
そんな代助が、ほぼ唯一命じられたのが結婚でした。三千代が近くにいて、自分を必要としている今、代助は意気揚々と見合いを断ります。
見合いしてしまってからの破談なので、当時とすると大混乱でしょう。勘当される代助。三千代と姦通していた事を平岡に実家へ暴露される代助。
代助が異常なのかというと、死ぬ予感のある三千代も結構ひどいです。捨て鉢で夢見がち。こんなふうに、宗助とお米も近づいたのかなと。
(彼岸過迄で、新婚なのに夫に冷たくされ、発狂する女の話がある。こころを読んでいた子供に、子供が読むもんじゃないと言ったのは漱石本人だけど、確かに自殺寸前の人の気持ちとか、色々刺激の強い小説が多い。
行人なんて、一郎の気持ちは「分かってはいけない」と思う。妻を殴ると、妻がエラそうになって辛いとか、滅茶苦茶。Hさんとはなんなのか。) |
|