・999って、ホラーだなあと。一話完結なので、20数分の間に死亡事故・事件がいくつもおきますし、基本、どの星も貧富の差や、身分の差が大きいです。
ボロボロになって生きて来た、という自覚のある鉄郎なので、永遠の命と言われる機械の体を求めますが、そもそも「肉体と心」が分離できる世界観なんだよなと。
つまり体だけ、心だけの存在も劇中には多いです。よく考えたら怖いなと。ロボットと人間の境界があいまいだし、心だけの存在ってお化けかと。(トチローは精神をメカに移し、長らえている?)
1000年女王で、気軽にクローンがバンバン出て来るのも怖かったです。クローンだから殺していいのか、クローンでも家族なのか、全く当事者次第です。(メーテルレジェンドでも、クローンなら何してもいい感じが怖かった)
・細雪中巻で、女中のお春とお久が日光へ旅行するんですが。
鶴子一家は大阪から東京へ引っ越し、「大阪へ帰らせて下さい」という女中のお久。そのお久を、「そのうち日光に行かせてあげるから」となだめる鶴子夫婦
で、渋谷の鶴子夫婦のところへ、幸子がお春を連れて尋ねる。丁度いいから、お久の連れとしてお春も日光に行くといい・・・・という流れです
うん?と思うのは
大体、「日光の歴史」というとヘレン・ケラーが金谷ホテルを訪ねたとか、諸外国の要人が中禅寺湖で避暑を楽しんだ、ヨットハウスが、という話が出て来ます。
あー流石リッツカールトンがある日光だ、と思いますが、同時にお春・お久も十分楽しめる場所だということです。鶴子夫婦にそんなにお金はないから、幸子夫妻がするような高級なバカンスではありませんが。
お春達は東照宮、華厳の滝、中禅寺湖を楽しんでいます。少し前なら、「女は立ち入り禁止」とされていた奥日光に彼女達も電車・バスで行けるようになりました。
勝算があったからこその、昭和4年の東武日光線開通、今もある中善寺金谷ホテル開業(昭和16年)でしょう。お春達が日光に行ったのは、昭和13年の9月。
日光って
勝道上人が開く→
戦国時代、社寺が北条方についたので、秀吉に領地を召し上げられる→衰退
家康の墓地の一つになり、幕府直轄地になる→
日光例幣使など、崇められる場所へ→
幕末もなんとか焼失等せず東照宮や杉並木も維持 外国人の女性が奥日光に行くと言い、「女人禁制」がとけ、一気に「観光地」になる→
(大衆化、ここでやっとお春達の日光旅行が可能になる。いろは坂のケーブルカーなどあったはず。戦争がひどくなる前は、大使館等の華やかなりし時代だったと言う いまでも中禅寺湖は「リゾート地なので騒いだらダメ」とされているので、高級・憧れの地)
事実上日光が衰退したのは、秀吉の覚えがよくなかった時くらいだよなと。実際、社寺の勢力を信長も敵視していたから、仕方ないのかなと。
逆に家康は旧勢力に優しいと言うか、社寺と言えば京都奈良のはずが、「日光」という古くて新しいシンボルを作り、「東」照宮になった |
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