・漱石の三四郎を読み終えました。以下雑感です。
・漱石と言えば。藤尾や美禰子という、派手な女達が注目される。それはそうなのだけど、一方で糸子やよし子、さらにはお光さんという、「女らしい女」も多い
で
・夢十夜の女性 臨終シーン
・坊ちゃんの清 病死
・猫の三毛子 病死
・草枕の那美さん 「狂った」と言われる
・三四郎のよし子 どうも病身じゃないかと思う
・それからの三千代 出産等で体はボロボロ どうせ死ぬ身とやけっぱちで不倫、金をねだる等 ・門のお米 不倫、貧困、出産他で心身がボロボロ
・彼岸過迄 須永の母 奉公先で妊娠させられ若くして他界
・行人のお兼は不妊 結婚できないお秀、他「狂った」お嬢さん、入院する芸者さん、腑抜けだという直 奉公先で強姦された上に失明した女性 行人が一番なんというか
・明暗のお延 妊娠中なのにストレスと電車旅で、未完以降の部分で流産かなにかすると予測されている
もしかすると、地味な方のヒロイン達には「体の不調」という共通点がある気がしないでもない。清は当時で言えば老齢、三毛子は猫という異論はあるけど、「他界した」「他界してもおかしくない」身だと言えそう
楠緒子さんの死去は有名だけど、漱石の場合
「あの女と自分が結婚できないのは、あの女が病身だから」という理屈が欲しいのかなと思う。当時なので若くして亡くなる方は多いけど、漱石の場合「死んでいくヒロイン」に何か言いたげ
世間でいう、美禰子〜三千代〜お米、というヒロインのチェーンはわかるけど
体の面から言えば、病身のよし子〜死ぬことばかり考える三千代〜世に隠れて生きるお米、というラインもあるのではないかと思う。
藤尾は自害したと言われるが、そこまで仕組む女じゃないと自分は思う だって100%小野さんが自分と結婚すると信じている女が、劇物なんて用意しないのでは |
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