madeingermany

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...... 2025年11月05日 の日記 ......
■ シムノン   [ NO. 2025110501-1 ]

・5分でいい、本が読みたいと思って、ホフマンの「牡猫ムルの人生観」を開いています。吾輩は猫であるにチラッと出て来たのは昔から知っていました。

どちらかと言うと、ムルが影響を受けたらしい、トリストラム・シャンディの方を漱石は読んでいたようです。漱石、蔵書が多過ぎて「漱石の読んだ本」を読もうとすると多分とても大変でしょう。

その上、漱石は若手の作品もキッチリ読んでいるのですごい人です。伊香保が出て来る不如帰に夢中になる娘に、「土」を読みなさいと言っていましたが、長塚節の「土」、滅茶苦茶長い上にとても暗い話です。



・一時期シムノンにはまっていて、何冊が連続で読んでいました。エロいのを合法に読めるからよかったのかもしれません。一応、シムノンは純文学作家とされているので、骨格のある話だったのが幸いでした。

で、

劇中で大体殺されるのが「若い娼婦」。これはシムノンお得意の描写らしく、異様なまでにパリの女性達に詳しいです。いわゆる「街娼」の話が多いです。

性事情に異様に詳しく、きちんとお話に落とし込むのがシムノンだったなと(同じ書き方を荷風はするようでいて、荷風は散文的 推理小説とか書かなかった)



街娼や娼婦、または一般女性を殺すのは、大体高齢の独身女性や、未亡人、または「夫を彼女達に奪われた奥さん達」これが多かった気がします。

夫を崇拝するからこそ、「つまらない」女性達との浮気を許していたのに、子供が出来たとか、本当に愛しているのは若い女性だと言われ、逆上して銃殺したとか。



メグレにレギュラーキャラは多くなく、女性ではメグレ夫人くらいです。夫人がある時、やっちまった中年女性を評していわく。

「彼女、男の人に愛されたことがないのよ」メグレ夫人は結婚適齢期に大勢の求愛してくる青年に囲まれ、さあ誰をお婿さんに?と家族で相談していたところ、若きメグレが登場し、結婚しています。それから子供こそありませんが、ずっと仲のいい夫妻です。

ひとりもんだから、「つまらない」女性をピストルで撃つはずもなく、全員の独り者が殺人を犯すとは思えませんが。犯す理由にはなるんだなと。

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